角館のお祭りは秋田県仙北市の角館地域の鎮守である神明社と成就院薬師堂のお祭りで、毎年9月7日~9月9日に行われています。
「角館祭りのやま行事」として重要無形民俗文化財に指定されていることでも有名です。
角館のお祭りのルーツは、今から350年ほど前にさかのぼり、地域の繁栄や商売繁盛、家族の無病息災などを祈願するもので、神明社(9月7、8日)と薬師堂(9月8、9日)の祭りが一緒になったものです。
今回は角館のお祭りの2019年の情報をお届けしたいと思います!!
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角館のお祭りの見どころは?
角館のお祭りには、各丁内から武者人形や歌舞伎人形をのせた16台の曳山が曳き廻されます。
7日には曳山が神明社へ参拝に向かい、8日には武家屋敷通りを抜けて佐竹北家当主への上覧に向かいます。
8日と最終日の9日には薬師堂に上がります。
18台の曳山には、笛、大太鼓、小太鼓、鼓、摺り鉦、三味線等の古楽器により「お山囃子」(おやまばやし)を奏する人たちが乗り終始囃し、秋田おばこたちが艶やかに手踊りを披露します。
これが鮮やかなんですよね~。
若者たちは、神明社・薬師堂への参拝、佐竹北家への上覧等を目的としながら山車(やま)を曳き廻します。
やまぶっつけは曳山とは、相手の曳山と話し合うことを「交渉」といいますが参拝等を終え進行の目的がなくなると、交渉せずに実力で通ることになるため「やまぶっつけ」の場面となります。
やまぶっつけは祭りのクライマックスにふさわしく、曳き手もお囃子も最高潮に達します。
写真を見れば伝わるかと思いますが、やまぶっつけのド迫力といったら半端ないです。
激突して、相手の曳山に乗り上げた曳山。#角館のお祭り #祭り #まつり #角館 #仙北市 #akita #ファインダー越しの私の世界 #写真撮ってる人と繋がりたい #coregraphy #東北が美しい #iphone写真 pic.twitter.com/slE9lFTOEz
— たくめい (@takumeik) 2016年9月12日
お祭り期間中は、混雑が予想されるので、ゆっくりと曳山を見学できる可能性は低いです。
どこでゆっくりと見物ができるかというと、青柳家の中がオススメです!!
青柳家の南側の蔵の横に飾りつけた曳山が展示されております。
この曳山は実際にお祭りに使われていたもので、以前は「駅通り丁内」の曳山として、この武家屋敷通りを、お殿様にお見せに上がる為に通っていたものです。
観光用激突
例年祭典中日(8日)に主に観光客の観覧を目的とした観光用激突が行なわれます。
これは、時間と場所、組み合わせをあらかじめ設定・表明して行われる激突でり、観光客向けの演目の一つです。
角館のお祭りのお囃子に登場する美女たち
いやー美しいですね。。間違いなく見どころの一つでしょう(笑)
角館のお祭りには事故の過去が…
ド迫力なやまぶっつけが見どころの角館のお祭りですが、過去には痛ましい事故もありました。
2台の曳山(ひきやま)に参加者が挟まれて死亡した事故でした。
曳山同士が激しくぶつかり合うことが見どころの一つなのですが、
大変危険でもありますので、近づきすぎないように気を付けましょう。
【#秋田 #祭り #角館のお祭り】8日、国の重要無形民俗文化財「角館のお祭り」がありました。曳山同士をぶつける「やまぶっつけ」は、昨年の死亡事故を受け、多数の安全委員が周囲を警備して臨みました。
今日は、やまぶっつけ「本番」です! https://t.co/dnt9RUgJW5— 朝日新聞秋田総局 (@asahi_akita) 2016年9月9日
角館とは?
角館は、元和6年(1620)に領主であった芦名義勝によって造らた城下町です。
湾曲した桧内川が迫って町の幅が一番狭くなっているところに、東西に太い通りがありますが、これが“火除け”で火災の延焼を防ぐために造られたそうです。
これより北が武士の住居である“内町”で、南は町人の住居である“外町”であります。
城主の住まいであった北辺を基点として、時とともに町は南に広がっていったと想像されますが、地図で見ると寺が町の中心を囲むように並んでいます。
当時はこのあたりが町の南辺であったとされ、当時の町の広がりは東西に400m、南北に1km程度だったのではと想定されています。
角館は東、北、西の三方を山に囲まれ南に開け、二つの川の交わるところにある風水学上恵まれた町であることも知られています。
角館のお祭りの2019年の日程や時間は?
角館のお祭りの日程
角館のお祭りの2019年の日程は、
9月7日(木)~9月9日(土)
に行われます。
角館のお祭りの時間
9/7
曳山の神明社参拝
- 16:00~ 16台の曳山が神明社に参拝
9/8
曳山の佐竹北家上覧・薬師堂参拝・観光用山ぶっつけ(佐竹北家上覧)
- 10:00~:各曳山が佐竹北家に上覧、おやま囃子コンクール(佐竹北家上覧時)(観光用山ぶっつけ)
- 18:00:「駅通り」と「川原町」(川原町町内ファミリーマート付近)
- 18:30:「岩瀬」と「北部」(角館樺細工伝承館付近)
- 18:30:「桜美町」と「横町」(角館観光タクシー付近)
- 19:00:「下岩瀬町」と「駅前」(写楽付近)
- 19:00:「中央通り」と「西勝楽町」(北都銀行付近)
- 20:30:「大塚」と「横町」(横町東部張番付近)
9/9
曳山の薬師堂参拝・夜更けから町内でやまぶっつけ本番
角館のお祭りの曳山の運行時間は?
- 9月7日(木) 16:00~24:00
- 9月8日(金) 10:00~24:00
- 9月9日(土) 10:00~2:00
角館のお祭りの会場までのアクセス
場所
角館のお祭りの会場は、神明社・成就院薬師堂・角館町内となります。
電車・鉄道
- 秋田新幹線角館駅から徒歩15分
- 9月8日 秋田内陸縦貫鉄道臨時列車運行
- 角館発 23:00→阿仁合着 0:19
車
- 近くに高速道路ICがないので、電車での来場がおすすめです。
駐車場
角館のお祭りの公式な駐車場はありません。
ただし、会場周辺に有料駐車場があるので、車で来られる方はそちらを利用しましょう。
- 桜並木駐車場、仙北市健康管理センター横(臨時)、旧角高グラウンド(臨時)
- 普通車500円、中型車1,000円、大型車2,000円
角館のお祭りをもっと楽しくするための用語説明
曳山とは?
曳山は角館の祭典初期から存在する九つの丁内(旧九丁内)と、比較的歴史が浅いそのほかの丁内があります。
また、かつて曳山は丁内の所有でしたが、現在では中央通りと本町通りの曳山のみが丁内山であり、他の曳山はその丁内若者有志の管理となっています。
曳山の構造
木材(主にナラ)で組まれ、各所はボルトで締結されています。
電線が通る明治期以前は、現在の置山のように大きなものでした。
また、曳山はもともと今のように引きまわすものではなく、担ぎ山でした。
そのため、今でも前後左右のもっとも太い木は「担木(たんぎ)」と呼ばれています。
昔は縄で組まれていましたが、現在では金具が使われており、前担木(まえたぎ)、横担木(よこたぎ)、後担木(うしろたぎ)、欄干(らんかん)、人形、もっこ、車(くるま)、引き手用ロープなどから構成されており、総重量はおよそ3tとなります。
人形
前人形は「水屋(みんじゃ)」と呼ばれる少し斜めになった部分に乗っています。
人形は前方に一体から三体乗せ、前に配置される武者人形は見どころの一つで、毎年、歌舞伎の場面や、歴史上の人物を用いた場面が用いられています。
後ろ人形
曳山の後ろには2~5個の酒樽か人形が乗せられています。
この人形は特に「送り人形」・「送りっこ」などと呼ばれ、滑稽な人形が多いのが特徴です。
かつて地元の高校が夏の甲子園秋田予選決勝に進出したときは立派な球児がお目見えしたこともありました。
もっこ
人形の後ろ側に標山が載っています。
黒木綿で作られたその部分を「もっこ」といいます。
欄干
舞台の周りを囲っている。欄干には紅白が巻かれています。
昔は木を朱色や白く塗ったものだったそうです。
舞台
曳山の前部は小さいながら舞台になっていて、踊り手がそこで手踊りを披露します。
後部
後部にも小さいながら舞台のようになっていますが、ここにはお酒や道具などが乗せられています。
曳山の人々の役割
責任者
曳山を統括し、その曳山を運営する上での最高責任者です。
紅白の襷をかけ、各丁内に3~4名います。
その中に正責任者と副責任者がいて、曳山の運営を任されています。
交渉員
交渉員は、いわゆる外交員のことを指します。
後述する「交渉」は交渉員と責任者のみが行うことになるので、とても重要な役割です。
先導
曳山を動かす先導の役割を担っています。
曳山の前部にある舞台の上で笛と自らの声で若者を統率し、曳山を動かします。
最も目立ち、もっとも粋に見えるため先導を志す若者も多いです。
先導は正に花形であると言えるでしょう。
交渉とは?
曳山と曳山が向かい合うと、交渉員と呼ばれる黄色の襷をかけた若者によって「交渉」と呼ばれる話し合いが行われます。
交渉では各々の曳山の現状確認や、道の優先権を主張しあいますが、原則として上り山に通行の優先権があることになっています。
交渉は原則二名にて行われ、そこで話し合われたことが曳山の意向となります。
また、丁内を賑やかしている曳山が各家々に手踊りを披露する際も、交渉員が始めにその家を訪ねて、曳山の意向を伝えることになります。
世界遺産のお祭りを存分に堪能しましょう
昼は美人なお囃子さんを観ながら、夜は曳山のド迫力はやまぶっつけと見どころたくさんの角館のお祭りでした。
さすがは世界遺産ですね。