中秋の名月の2019年はいつ? 満月になるとは限らない?

季節

中秋の名月、十五夜というと、満月というイメージを思い浮かべる人が多いと思うのですが、
実は中秋の名月の満月には深い意味があるということを知っている方は少ないのではないでしょうか。

ということで、中秋の名月について深堀りするとともに、中秋の名月の2019年の満月はどうなるのか、予想してみました。

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中秋の名月2019 満月はいつ?

2019年の中秋の名月、十五夜は10月4日(水)になります。

後程詳しく説明しますが、中秋の名月の日だからといって満月になるとは限らないので注意しましょう。

中秋の名月とは

旧暦の8月15日が十五夜にあたり、この日を「中秋の名月(ちゅうしゅうのめいげつ)」と呼びます。
2019年は10月4日が十五夜にあたります。

中秋の名月」は、「十五夜(満月の意味)」とも呼ばれますし、ちょうど芋の季節なので、その収穫を感謝しお供えすることから「芋名月」とも呼ばれます。

稲の豊作を祈る祭りを行ったことが始まりとされていますが、実際には正確な起源はわかっていません。

お月見の習慣はいつから?

中秋の名月といえば、お供え物をしてお月見をするイメージを持っている人が多いと思いますが、そのルーツは9世紀の頃にまで遡ります。

中国では唐代の頃からあったお月見の風習が貞観年間(859-877)の頃、日本の貴族社会に入ってきたのが日本におけるお月見の始まりです。

平安時代のお月見は徐々に規模が大きくなり、延喜19年(919)には宇多法皇が日本独自の十三夜の月見を催したことが知られています。

当時の日本でのお月見は、詩歌や管絃を楽しみつつ酒を酌む、といった雅味な催しであり、庶民とは縁のないものでした。

この頃のお月見は中国、日本ともに願掛けや供え物といった宗教的な要素はなく、ただ月を眺めつつ楽しむものだったようです。

室町時代後期になってから、お供え物をするなどの風習が生まれたようです。

お供え物の種類と数は?

月見団子

まずは定番のお月見団子。
地域によっては、お供えする数も十五夜のときには15個。
十三夜のときには13個と決まっている地域もあります。

白く丸い月見団子は、満月を模したもので、収穫への祈りや感謝を表しているとされています。
また、健康や幸福も表しているそうです。

ススキ

神様を迎える依り代として供えられます。
本来であれば、依り代には稲穂が用いられるのですが、お月見の時期に稲穂がなかったため、ススキを供えるようになったと言われています。

また、ススキには魔除けの力があるとも信じられていたので、無病息災を願って供えられたともいわれています。

里芋などの旬の野菜

里芋などの芋類の収穫を祝う行事でもあるため、里芋やさつまいもなどをお供えします。

里芋以外には葡萄などのツルものは、月と人との繋がりが強くなるという縁起のいいお供えものとされています。

お供え物を飾る場所は?

お供えのために本格的なものを準備するのは手間ですから、月を眺められる場所で簡易的に行っても良いでしょう。

または、床の間、チェストの上などにしつらえてもいいですね。

中秋の名月の日は、いつも満月とは限らない?

仲秋の名月は旧暦の8月15日の月をさしますが、古来「名月」というだけで仲秋の名月を意味します。

実はこの日は必ずしも満月になるわけではありません。
むしろ満月でないことのほうが多いくらいです。

全般的には旧暦8月15日「仲秋の名月」は満月より早く来る傾向があります。

旧暦の1日は「新月(朔)」の日からはじまるので15日は新月の14日後となります。

ところが、新月から14日後に必ず「満月」になるわけではありません。

なぜなら、月の軌道や地球の軌道が楕円の関係で、新月から満月になるまでにかかる日数には2日ほどの幅が発生します。

平均で約14.76日になりますから、満月は15日よりやや遅れる傾向にあるのです。

他にも旧暦の1日の決め方が幅をもっていること(「新月(朔)の瞬間が含まれる日」)も関係してきますので、必ずしも満月の日が中秋の名月になるとは限らないのです。

それでもお月見は中秋の名月に限る。

月の出は毎日平均約50分ずつ遅くなっていきますが、中秋の名月のころはこの間隔がぐっと短くなります。

連日あまり変わらない時間に月が昇ってきますので、秋は月待ちするのに絶好の季節といえます。

中秋の名月の頃は、月の出時刻があまり変わらない?

中秋の名月は秋分ごろの満月ですから、太陽は秋分点付近、月は反対の春分点付近にいます。

満月の翌日、月は緑の矢印のように黄道に沿って進んでいますが、
夕方18時には黄道は低いところを通っているので、月は地平線から近いところにいるため、前日とあまり変わらない時間に月の出を迎えるわけです。

「中秋」の名月?「仲秋」の名月?どちらの字が正しい?

三省堂の新国語中辞典を開きますと、この2つの言葉は次のように解説されています。

  • 仲秋…《秋の三ヶ月(七・八・九)の中の意》陰暦八月の別称。なかのあき。
  • 中秋…陰暦八月十五日。「–の名月」

中秋の名月は、陰暦(旧暦)で8月15日、つまり秋の真ん中の日の月のことを指します。従って、陰暦8月15日を示す「中秋」という言葉の方がふさわしいことになります。

仲秋という言葉は、旧暦で8月を示す言葉の1つです。もともと旧暦の月の呼び方の中に、季節の真ん中の月(春なら2月、夏なら5月、秋なら9月、冬なら11月)に「仲」をつけて呼ぶ言葉があります。

例えば、「仲春」といえば2月、「仲夏」といえば5月となります。もちろん、「仲冬」という言い方もあり、これは11月を指します。

「名月」という言葉を「満月」と解釈すれば、「仲秋の名月」でも間違いとはいえなくなりますが、もともとの「8月15日の月」という言葉からすると、「仲秋の名月」よりは、「中秋の名月」の方がより正しい、ということがいえると思います。

もっとも、この「仲秋」と「中秋」は、長い歴史の中でだんだん区別されずに使われてきているようにもみえます。

「広辞苑」第4版をみてみますと、「中秋」と「仲秋」は同じ言葉として扱われています。

秋の月はなぜきれいに見える?

秋の月がきれいな理由は、科学的にみて正当な理由があります。

1つめは、秋の空気が比較的乾いていること。
具体的にいうと、空気中の水蒸気量が少ないということです。

これによって、大気がぼやけたりすることがあまりないため、くっきりとした月が見えやすいのです。

逆に夏は水蒸気量が多いため、どうしても少しぼんやりとした月になってしまうことが多いようです。

また、月の高さの問題もあります。
月の通り道の関係で、実は月が見える高さは季節によって異なります。冬の月は空高く、夏の月は割と低い位置にあります。

月が低い位置にある場合、地表付近のちりや明かりなどにじゃまされて、きれいにみることができません。

また大気によって光が吸収される減光という状態になるため、低い月はどうしても暗くなってしまうためです。

2033年問題と中秋の名月の関係性

いわゆる旧暦2033年問題とは、秋分を含む陰暦月と冬至を含む陰暦月の間に1陰暦月しかないため、
秋分を含む月は8月、冬至を含む月は11月とするという天保暦のルールを満たすことができず、
うるう月の置き方が一意に決まらないという問題です。

中秋の名月は陰暦8月15日の夜に出る月ですから、この影響を受けることで、日付が変わってしまう可能性も否定できません。

かたくならない月見団子のつくりかた。

提供:日本気象協会

中秋の名月には必ずといっていいほど食べる、月見団子ですが、 時間がたつとかたくなってせっかくの美味しさが半減してしまいます。

ここで、かたくならない月見団子の作り方をご紹介します。

材料:白玉粉と豆腐だけ

白玉粉と豆腐は同量もしくは少しだけ豆腐を多めに。

豆腐は水を切らず、かたさを調節しながら少量ずつ白玉粉と混ぜて練ります。

耳たぶくらいのかたさになったら小さく丸めて、3分程度沸騰したお湯でゆでればできあがりです。